メイド、いやロボっ娘です

メイドもここまで来た、たま

メイドという仕事は言ってしまえば単調なものだ。家事をしていればいいだけと言いながらも、その業務内容は自宅でする掃除とはワケが違う。それこそホコリ1つ残してはいけない、綺麗にするなら徹底的に掃除しないといけないのがメイドというものだ。日本で提供されている家事代行スタッフというのも、仕事となると実は難易度が跳ね上がり、かつ掃除の折に何かしらの事故が起きる事などあってはならない。そういう意味でも現実に様々な事件が起こっている、その最たる例は高島忠夫さんの長男が当時雇われていた家政婦の嫉妬という身勝手な理由から殺害されてしまった件だろう。

家の管理、引いては諸々の雑務を任せられるという点では便利に見えます。ただそれがその屋内におけるプライベートな環境が既に侵食されているという点を見ていない人も多い、だからこそ窃盗や殺人と言った事件が発展してしまうのなら、メイドというのも考えものだ。

人間になんか任せられない、いつかは登場して欲しいとひっそりと資産家から望まれているメイドの理想とはいわゆるロボットではないだろうか。人間の命令に忠実で、しかも給金も払う必要がないとなれば雇用主にとってこれ以上ない話だ。そんな先進的な技術が誕生するまでどれほど時間がかかるかは見当もつきませんが、そういう視点でロボットなメイドも登場している。

中でも引いたる存在といえば銀魂に登場している『たま』だ。

気付けば準レギュラー化していた

銀魂といえばもう限りなくやりたい放題で、常に限界ギリギリの表現でファンを初めオタク界隈に話題を振りまき続けている異色作。これでジャンプで掲載されているという点を考慮すると、良く打ち切りにならなかったなぁと思う。そんな銀魂にもメイドが登場する、詳しく言えばメイドというよりは日本的な家政婦に近い立場だが、本作で唯一誰かにつかえているメイドとなっているたまは、銀魂の中でも気付けば準レギュラー化していった。

元は発明家の家政婦としてではなく、病弱な娘の対談相手として作られたものの本懐を成し遂げることなく、処分されてしまった。そこを銀魂の(一応)ヒロインの神楽が拾ったこと、その後の展開によってお登勢に拾われてスナックの従業員として勤務することになる。俗にいうメイドカフェの誕生だ、お酒が飲めてたまの完璧すぎる接客に客が酔いしれる、というものだったらまた別の意味で話題をさらいそうだ。

ロボット、作中では絡繰りと呼ばれているが自身が人ではないことに対しては誇りに思っており、それを引け目に感じていない。作中においても主人公たちには様々な恩義を感じているので、どんなにぞんざいな扱いをされようと信頼を裏切らない点からしても、メイドや家政婦としては完成された姿だといえます。仕事ぶりも完璧かと思うでしょうが、中々過激なところがある。

料理の腕

例えば料理、彼女が特定の料理をつくる際にはまず自身の体内に取り込むところから始まります。作りたい料理の材料を取り込み、体内で調理をしてそれを吐き出すことで完成される。体内で調理された料理、通称あれではないのかと思うでしょうが禁句だ。体内を経由しているせいで、オイルまみれの料理を作り出すという凄いのかどうかよく分からない機能を持っている。しかも料理は絶品と言われているので、見た目では判断できない。

恋話に目がない

絡繰りであるため、本来なら感情は存在しないのだが発明家が後に娘の意識をたまに移そうとする試みをしたことから、少しだけ自身の思考ルーチンを持ち合わせている。そのせいかロボットなのにやたら人間臭い描写もある。中でも恋話には目がないらしく、彼女の中に構築されている恋話フォルダは16ペタバイトはあるという。どこまで好きなんだと言いたくなりますが、普段から働き者で雇い主のお登勢から仕事ぶりを評価されているだけあって、そういう茶目っ気も可愛いとすらみなされています。

よくよく見れば

また準レギュラーとして、時に主人公がピンチに陥ったりした際には、その助力に回ろうとする献身さも見られる。それを見て思う、あれっこのキャラってこんなにかわいかったっけと錯覚させるほどだ。現実のメイドに主人でもない人間に対して甲斐甲斐しくなるほうがおかしいと思う以前に、そもそも主人との関係すら危ういケースがあることを思うと、メイドとして非常に理想的な姿なのかもしれません。

ギャグキャラとしての利用は多いが、素晴らしさだけで言えば銀魂の中でも健気すぎるキャラクターと言えるでしょう。

メイドカフェから見る、日本の歪曲されたメイド像