日本の逸脱したメイド像

日本文化がもたらした新しいメイド像

メイドカフェではメイドを見れば『萌え』となる、なるかならないかは人によりけりですが、オタク文化という点ではこれ以上ないくらい象徴的な存在になっています。それは多くのクリエイターたちにメイドというものを創造させ、これまで多くの作品が登場してきました。

しかしいつの頃からか、ありきたりなただのメイドではつまらないと、もっと斬新かつ奇抜、誰も考えつかないようなメイドを考え出そうとする試行錯誤が繰り返されていく。しなくてもいいのにと思うでしょうが、その結果誕生して物凄い人気を博してしまったキャラクターもいる。また『メイド=女性』という価値観に対しても意義を唱えるようにこれまで全く考えも付かなかった、斜め上へと行くメイド観を作り出してしまった人もいます。

メイドカフェを作り出す原点にも繋がり、かつ日本のメイド萌えから誕生した異色中の異色メイド、その最たるキャラクターたちを筆者の偏見ではあるが何人か紹介していこう。

通称未来から来た殺人ロボット ロベルタ

メイドについて詳しく知り始めた、というわけではないがそれなりに知識を得た頃に知った中でこの方の存在感が頭を離れなかった。誰かというと人気漫画『BLACK LAGOON』にて登場し、その存在感がこれまで作中に登場してきた人物の中で圧倒的な存在感を放っていた『ロベルタ』だ。この名前を出していきなりそう来るかと、そう思う人もいるでしょう。それだけ筆者にとって、このロベルタというものの存在が大きすぎるのだ。

どういう人物かというと、作中では南米十三家族の一角であるラブレス家に所属しているメイド長で、主に当主の身の回りを世話することが主な仕事となっている。メイド長だけあって家事に精通しているかといえば、実際のところはそういったことには全くの不得手であまり役立てていなかった。メイド長なのにと思うかもしれませんが、彼女は元々メイドなどという身分ではなく、国際指名手配されるような兵士なのだ。

フローレンシアの猟犬

その異名はフローレンシアの猟犬と称され、一度狙った獲物はたとえ世界の果てまで逃げようと必ず仕留めるところから来ている。卓越した戦闘力を持っていた彼女は、自分がいつか国のためにと信じていた行動すべてが無駄だったと理解した瞬間、離反したためにあらゆる組織から狙われるようになった。そこを自身の父と知り合いだったラブレス家の当主に救われ、メイドという仮の身分で彼と彼の息子を支えるという平穏な時間を手に入れたのです。

元はゲリラ戦に特化した、一個小隊並の火力と実力を持った優秀な兵士であるため作中では間違いなく五指に入るとすら言われているほど。事実、初登場した回ではカルテルによって連れ去られたラブレス家の嫡子を救うためメイド姿でありながら完全武装して主人公たちを含めた敵全てを圧倒するだけの力を見せる。その時思ったものだ、この作者はメイドに対してこういう風にあるべきだと考えているのかと、恐らく違うだろうが。

いついかなるときも

戦士としてのロベルタは危険極まりない、噛みつかれたら仕留めるまで地の果てだろうと追いかけることから、狂戦士とすら見られている。それに反するように、一度忠誠を誓った相手には絶対服従の姿勢を崩さず、ラブレス家には多大な恩義もあってその威信は揺るがないほどに厚い。

また彼女がメイドの姿をしているのは、汚れた時代の自分だった本名の『ロザリタ・チスネロス』ではなく、メイドの『ロベルタ』でいられるからというのもあった。それだけ彼女にとって人生の転機でもあったのです。

一度見てもらえば分かる

正直ロベルタについて語るとしたら、文字では表現できない迫力があります。実際に映像ないし作品を見てもらえれば分かりますが、メイド服の女性が傘に改造したショットガンを片手で扱い、トラベルケースと見せかけたガトリングガンを軽々と扱っている。

他にも爆弾やナイフ、その他ハンドガンを隠し持って自由自在に操る姿は歩く殺人マシーンと言える。そんな立ち振舞から作中では映画ターミネーターに託つけて『未来から来た殺人ロボット』などと呼ばれています。

メイドカフェから見る、日本の歪曲されたメイド像